
私は、あるラジオ番組から流れてきた話に耳を留めた。
語り継がれてきた、ある物語。
ホモ・サピエンスがアフリカの荒野で暮らしていた、何十万年も前の話。
ライオンが捕まえた獲物を食べている最中に、彼らは身を潜めてライオンを取り囲み、音を立てないように静かに忍び寄る。そこで呼吸を合わせて、大きな音を立ててライオンを驚かせ、ライオンがどこかに移動した隙を狙って、食べていた獲物を盗み取るという物語。

彼らの中には、周囲の仲間と連携し、何かを成し遂げることのできる者もいれば、そういうことは苦手な者もいたかもしれない。
ホモ・サピエンスは、高度な適応能力を持っていた。約四万年前にネアンデルタール人が絶滅した後も、ホモ・サピエンスは滅ぶことなく、現代人の祖先となった。
人類誕生から、気の遠くなるような時間が流れた。ホモ・サピエンスは、異なる人類と出会い、交わり、その痕跡を今も身体の奥に残している。
群れの中心に立つ者。周囲と呼吸を合わせる者。そして、少し離れた場所から、群れ全体を見ていた者。
その違いは、いつから始まったのだろう。純粋な「人間嫌い」も、完全な「人間好き」も、おそらく存在しない。私たちは誰もが、その両方に少しずつ染まっている。
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そのとき、私は、遥か遠い場所から、その光景を眺めていた。