南青山アンティーク通りクリニック

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第二十八話 再び蘇る

令和七年七月十二日(土曜日)


寝苦しい明け方

 或る日の早朝四時頃、寝苦しさで覚醒。
 七時間前にラジオをつけたが、消し忘れてそのまま眠り、翌朝早朝覚醒したときに流れてきたサウンド…。

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一度消えても

 昔の記憶はいつもすべて消している…にもかかわらず、一度消えては、再び蘇ることがある。
 が、そう簡単に蘇らない…いや蘇ることができないように処理している。
 視界が届かないように心の奥深く、底に片付けるか、ゴミ箱に捨て去るか?
 それも粉々にしてしまうから始末が悪い…復活は容易ではない…粉々の紙切れをセロハンテープでつなぎ合わせるしかない。
 強烈でインパクトな刺激でない限り、決して元に戻らない。

瞬間移動

 ある特殊な脳への刺激で過去に向かう。
 過去に瞬間移動。
 脳の不可解さをとても感じる。

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メッセージ

 昔の二人の友人へのメッセージが、今回のブログ第二十八話の目的。
 私が消し去った記憶であるが、消えないで残存している。
 <永きに渡ってありがとう>というメッセージ。

炎上

 読み手にしてみれば、自分のクリニックから発信すべき内容ではないと言う批判が出てくるかもしれない。
 それは了解済み。
 見方によっては賛同してくれる人もいるかもしれない。
 流れに任せてという感覚…。
 炎上しようがしてもしなくても全然気にしない…勝手に燃えたい人は燃えてくれればいい。

最初の楽曲

 あるDJが「ただいまの楽曲は『ワインの匂い』です」と一言。
 その後に、
「早朝の静けさにとてもマッチングしている、しっとりとした最高の楽曲…とてもいいですね…」という言葉が聞こえてくる。

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 最初、私は眠気眼(ネムケマナコ)であったが、シーンと静まり返る早朝に、非常に優しいメロディはとてもフィットすることに気付く。

あるメロディ

 どこかで聞いたことのあるメロディ…。
 少しずつであるが、かすかに脳に残っている記憶が少し蘇る。
 例えで言えば、日本の摩周湖、イタリアのコモ湖など、世界的に有名な湖をイメージする、静まり返っている湖で、釣りをしている人の浮き輪から、イモずる式に記憶が引っ張り出されるよう…。

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高校生

 数分かかったが、ようやく思い出した。
医学部に入学する直前の高校生の頃に、或る友人から「これどう思う…聞いてみない」と言いながら、貸してくれたカセットテープの中に入っていた、彼らのアルバムのなかのひとつ。
 が、その頃、彼らは全然売れていない。
 本当にいい曲であるが、まったく無名。

危険

「センチメンタル過ぎるのでハマってしまいそう…これほどの透明感を出せる人はいない…とてもいい」と数か月後にカセットテープを返却。
「これほど心に届く楽曲がなぜ売れないの?」これは私の七不思議のひとつであった。

 それ以来、この類の楽曲は聴かないようにしている。

偶然

 数十年後に自分の子どもの一人が<彼らの>後輩になるとは、<偶然>としか言いようがない。
 横浜の山手の或る学校。

年賀状

 最近、余程のことがない限り、私は年賀状を書かない。
 いつも年賀状を出してくれる人には大変申し訳ない。
 高校生の友人は「元気…」と数十年に及んで、今でも年賀状が毎年届く。
 それが刺激になり、いくら記憶を消しても、高校生終盤の頃の記憶が蘇ることもある。

燃え上がり現象(Kindling)

 それは、燃え上がり現象(Kindling)。
 燃え上がり現象は、私の二十歳代の実験のテーマそのもの…これもまた偶然。
 たとえ、ある刺激が、微細な刺激であっても、それを頻繁に繰り返していると、やがてとても大きな波になる…最後にはてんかん発作になる。
 今思えば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状発現に類似しているかもしれないと思う…とても嫌な人に毎日会っていると、激しいトラウマに至るようなもの。

第二番目の楽曲

 そのDJは、次は「心さみしい人よ」とさらりと流す。
 私の鈍感さであっても感じ取ることができる。
 最初の一分間がとても心に響き残る。
 「ひとりになりたいフリをして」
 「誰かそばにいてほしいくせに」
 「君は何気なくつぶやく…暮れゆく空に向かって人間なんて」…

 「また優しいフリしている…自分を慰めるように」で締める。

教示

 以上は、ここ二十年間、クライアントに教示していただいた言葉と類似点が多い言葉でもある…。
 昨今、逆の風が吹き荒れることもある…。
 やむなし。
 あしたの風の方向は、どちらに向いているかわからない。
 とんでもない嵐のこともある。

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バトン

 医学部時代、親しかった友人がいた。
 私は、彼に、私が高校生の友人から教えてもらったときの再現を施した。
 その後、私のバトンを受け取り、共通の話題で今の奥様と知り合ったという、風の便りの知らせを聞く。

オープン

 その人は▲■県○×市でレディースクリニックをオープン。
 彼からも毎年年賀状が届く。

偶然の繰り返し

 どんなに記憶を消しても、わずかな刺激で、私の記憶が蘇ることがある。
 とても重いアンカーで海底深く沈めないと浮かんでくる…。
 私の意思とは無関係に…。

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