南青山アンティーク通りクリニック

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第四十二話 構造


令和八年六月二日(火曜日)


外の世界にばかり興味や関心を持って生きてきたが、内の世界にも興味を持ち始めた。  
そして、余白を丁寧に扱う大切さを学んだ。  
そういう時期に、構造で物を書く人にたくさん出会ってきた自分に気づいた。

余白と構造。
  この二つは、磁石のN極とN極、それともS極とS極。
  接近し過ぎると互いにはじき合う。

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構造に飲み込まれない距離感を探している自分が見える。
  意識的には構造化はしていないが、最小限の構造化は無意識にしている。

  構造で書く人は、地図を読み、最後の最後まで旅行の計画を完全に練ってから動き出す。
  構造で書かずに余白や気配で書く人は、ふらりと一人旅を楽しむ。

  構造を大切にする人を見ていると、どこか不安の匂いを感じていた。
   だが、気づけば私も似たような地図を握っていた。

  檻の中に住みたくない…空は限りなく自由と思っていた。
    檻を見ると揺らしたくなる。
   閉じた構造を見ると開きたくなる。

  無意識に構造で書いている自分を見つけてしまう。
  その境界は思っていたほど明確ではなかった。
  私が握っているのは、皺ひとつない最新のデジタルマップなのか、それとも手垢のついた古地図なのか。

   ふと夕暮れの空を見上げると、そこにある色が徐々に変化して溶け合っていくのが見えた。

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